Zapierとは、9,000以上のアプリをつなぎ、コードを書かずに定型作業を自動化するサービスです。自動化の単位はZapと呼び、1つのトリガーと1つ以上のアクションで組み立てます。
導入前に決めておく点が1つあります。新しいデータを確認する間隔は、契約プランによって15分から1分まで変わります。「即時に動く」を前提に設計すると、無料プランでは合いません。
Zapierは何をするツールですか?
Zapierは、別々のアプリの間でデータを受け渡す作業を代わりに行います。
たとえばGoogleフォームに回答が届いたとき、その内容をスプレッドシートに追記してSlackに通知する。この一連の流れを、プログラミングなしの画面操作で組めます。公式が連携先として挙げているのはGmail、Slack、Googleスプレッドシートなどで、対応するアプリは9,000以上あります。
人が毎回コピーして貼り付けていた作業が、対象になります。判断が必要な作業ではなく、手順が決まっている作業です。
トリガーとアクション、そしてZap
Zapierの用語は3つ覚えれば足ります。
Zapは、アプリをつないで繰り返し作業を自動化するワークフローです。1つのトリガーと、1つ以上のアクションで構成されます。
トリガーは、Zapを開始する出来事です。新しいメールを受信した、スプレッドシートに行が追加された、といったものが該当します。
アクションは、トリガーの後にZapが行うことです。連絡先を作る、メッセージを送る、レコードを更新する。アクションは1つでも複数でも組めます。
つまりZapは「何が起きたら(トリガー)、何をするか(アクション)」の1組です。複数のアクションを並べれば、1つの出来事から連鎖する処理を作れます。
「即時」で動くのかは、プランで決まります
ここが導入前に決めておく点です。Zapierが新しいデータを確認する間隔は、契約プランによって変わります。
プラン | 確認間隔 |
|---|---|
Free | 15分 |
Professional | 2分 |
Team | 1分 |
Enterprise | 1分 |
無料プランで組んだ自動化は、最大15分待ってから動きます。ITreviewの公開レビューにも、即時に設定したのに実際には15分ごとの確認だったという2018年11月の報告があります。仕様どおりの挙動です。
自動化の設計で最初に決めるのは、遅れて良いかどうかです。社内への通知なら15分で足ります。問い合わせへの一次返信や、在庫の引き当てのように、遅れが業務の結果を変えるものは足りません。要件に即時が入るなら、それは製品の優劣ではなくプランの問題になります。
なお、この確認間隔とは別に、変更を受け取った瞬間に反応するトリガーを持つアプリもあります。連携したいアプリがどちらなのかは、組む前に確認してください。
Zapierは日本語で使えますか?
製品サイトは日本語で読めます。請求通貨も日本円を選べます。
一方で、ヘルプセンターには日本語版がありません。help.zapier.com/hc/ja を開くと英語のページに転送されます。設定で詰まったときに読む文書は英語です。
公開レビューでも、英語のドキュメントやサポートで手が止まる話は繰り返し出ています。2021年10月の投稿は問い合わせに英語力が必要だと述べ、2023年5月と2026年1月の投稿も日本語資料の少なさと翻訳の手間を挙げています。翻訳ツールで読めば足りる範囲か、社内で英語の一次情報を読む人がいるか。ここは事前に見ておく点です。
Zapierが向かないケース
2つあります。
1つは、つなぎたい先が国内サービス中心のときです。2024年2月の公開レビューには、海外の主要アプリは網羅されている一方で国内アプリが非対応で、別のiPaaSを契約することになったという報告があります。連携数9,000という数字は、必要な1つが入っているかを保証しません。この分岐はiPaaSとはで詳しく扱っています。
もう1つは、条件分岐が用意された型から外れるときです。設計の自由度を優先するなら、n8nとはで扱っているセルフホスト型も検討の対象になります。
よくある質問
Zapierの料金はいくらですか?
無料プランがあり、有料プランはタスク数のティアで価格が変わります。金額とタスクの数え方はZapierとSlackの連携にまとめています。ステップ数と消費タスク数は一致しないので、見積もる前に読んでください。
Zapとワークフローは違うものですか?
同じです。Zapierでは自動化のワークフロー1本をZapと呼びます。
アクションは1つしか置けませんか?
複数置けます。ただし無料プランはトリガーとアクションの2ステップまでです。
次に確認すること
つなぎたいアプリを2つ挙げて、それぞれZapierの対応一覧にあるかを見てください。両方あれば、無料プランで1本試せます。そのうえで、15分の待ちが業務として許容できるかを判断します。
連携が20本を超えたあとの管理は、別の問題になります。誰が止められるか、止まったときに気づけるか。この話はZapierとSlackの連携で扱っています。
自社の業務でどこから自動化するかを整理したい場合は、diverへ相談する。